Home>> 製品情報>>COSMAP>>オプション ソフトウェア

オプション ソフトウェア

高周波誘導焼入れオプション

COSMAP高周波誘導焼入れオプションは、COSMAPと(株)JSOL社製JMAGまたは(株)フォトン社製PHOTOを連動させ高周波誘導焼入れシミュレーションを可能にするオプション・ソフトウェアです。

高周波誘導焼入れは、高い表面硬さと圧縮性残留応力により耐摩耗性と耐疲労性が得られる、短時間に加熱できて変形が小さい、熱効率が良く省エネである等の多くの利点があるために広く産業界で使われております。一方で、高周波焼入れプロセスの設計は、加熱温度の正確な測定が難しい、加熱コイルの設計が難しい、複雑な形状のワークの焼入れ条件の設定が難しい等の課題があり多くの経験と試行錯誤が必要になります。

COSMAP誘導焼入れオプションは、JMAGまたはPHOTOのの磁場‐熱連成解析とCOSMAPの変態・熱・力学連成解析機能を連動させ高周波誘導焼入れ処理プロセスのシミュレーションを行い熱処理後のワークの硬さ、残留応力、変形、組織分布等の予測を可能にします。それにより、最適な加熱コイルの設計、加熱、冷却方法の設定等に活用することができます。

機能

COSMAPとJMAGまたはPHOTO連成ソフトウェアを連動させ高周波誘導焼入れ解析をします。

特徴

加熱と冷却プロセスを連動させたシミュレーションができるので磁場‐熱解析だけのシミュレーションに比べ現実に合ったシミュレーションができます。

  1. 高周波誘導焼入れにおける物理量の間の連成
    高周波誘導焼入れにおける物理量の間の連成
  2. 高周波誘導焼入れシミュレーションの処理フロー概略
    高周波誘導焼入れシミュレーションの処理フロー概略

動作条件

高周波誘導焼入れシミュレーションには、このオプションと共に次のソフトウェアが必要です。
  • COSMAP基本ソフトウェア
  • JMAGまたはPHOTO連成ソフトウェア
  • GiDプリポストプロセッサー

誘導加熱焼入れシミュレーションの適用例

シリンダーの解析
  1. 解析モデル(a:磁場‐熱解析のモデル、b:変態‐熱‐力学解析のモデル)
    解析モデル(a:磁場‐熱解析のモデル、b:変態‐熱‐力学解析のモデル)
  2. 加熱時の温度分布
    加熱時の温度分布
  3. 焼入れ後のオーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトの分布
    焼入れ後のオーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトの分布
  4. 焼入れ後のシリンダー内部の残留応力(σx,σy,σz)
    焼入れ後のシリンダー内部の残留応力(σx,σy,σz)
  5. 焼入れ後のシリンダー表面の残留応力
    焼入れ後のシリンダー表面の残留応力




JMatProtoCOSMAPプログラム

JMatProtoCOSMAPプログラムは、金属合金物性値計算ソフトウェアーJMatProで計算した物性値をCOSMAPの材料データ形式に変換するプログラムです。

COSMAPの材料データは、化学成分、拡散係数、相変態特性、熱伝導特性、応力・ひずみ特性データ等から成り、その多くのデータは、組織(オーステナイト、ベーナイト・パーライト、マルテンサイト)、拡散元素濃度(炭素、窒素等)、および温度に依存したデータです。

一方、COSMAPの材料データのもとになるデータは、JMatPro、材料データベースMATEQ、あるいは、実験・計測等からのデータになりますが、このデータがかなり大な容量となること、また、COSMAPの材料データとするには、COSMAPのデータ形式に合わせ必要があります。このデータ作成作業は、エディター等を用いてマニュアルにて行われますが手間のかかる仕事になります。

最近、物性値を求めるのにJMatProが広く使われるようになり、JMatProの物性データをCOSMAPのデータ形式に変換する作業工数を大幅に軽減する必要が出てきました。この目的でJMatProtoCOSMAPプログラムが開発されました。

このプログラムを使ってCOSMAPの材料データを作成する作業の大まかな手順は、まず、JMatProで物性データを計算し、EXCELにエキスポートします。次に、このプログラムでこのEXCELデータを読込み、このプログラムの作業画面で必要に応じて化学成分指定、温度指定等を行い、その後でCOSMAPの材料データ形式に自動変換します。自動変換したデータは、必要があれば一部をマニュアルで修正を加えることもできます。

また、このプログラムは、CCT曲線と応力・ひずみ曲線については、上記の方法の他に、JMatProからエキスポートされたピクチャーデータを読込み、このプログラムの作業画面でピクチャー上から必要なデータポイントをマニュアルで選択して、その結果をCOSMAPの材料データ形式に自動変換する機能も有ります。

機能

  • JMatProからのEXCELデータ形式の物性データを読込み、COSMAPの材料データに自動変換します。
  • CCT曲線と応力・ひずみ曲線は、JMatProからのEXCEL形式データの数値データの他に、ピクチャーデータを読込み、このプログラムの作業画面で表示されたピクチャー上で必要なデータポイントをマニュアルで選択し、COSMAPの材料データに自動変換します。

特長

  • COSMAPの材料データ作成に必要なマニュアルでの作業工数を大幅に減します。
  • マニュアルでの作業工数が大幅に減ったことにより編集、変換ミスを減します。

動作条件

  • OS: Windows 10, Windows 7

操作画面例

  1. 流動応力データの読込み
    流動応力データの読込み
  2. 指定した炭素量(0.2%)に対応した硬化係数データの表示
    指定した炭素量(0.2%)に対応した硬化係数データの表示
  3. 硬化係数のリストボックスへの読込み(MHARD)
    硬化係数のリストボックスへの読込み(MHARD)
  4. CCT曲線グラフの読込み
    CCT曲線グラフの読込み
  5. ポイントの選択とリストボックスへデータの自動読込み(MQTDR)
    ポイントの選択とリストボックスへデータの自動読込み(MQTDR)